怒りの感情について 〜アンガーマネジメントより〜
4愛知県長久手相談室の濱崎明子と申します。アンガーマネジメント講師としても仕事をしていますので、今回は怒りの専門家として『怒りの感情について』をまとめてみました。
〈今回のテーマ〉アンガーマネジメント
①怒りとは?
②怒りの誤解
③怒りの感情のしくみ
④怒る時のメカニズム
⑤対処法
①怒りとは
怒りは喜怒哀楽で表されるように、感情表現のひとつであり、誰もが感じる基本感情のひとつです。感情には良いも悪いもないので、怒りの感情を感じたとしても悪いことではありません。
そして怒りには、大切な機能・役割があります。それは『怒りは身を守るための防衛感情』であること。
突然ぶつかられた、足をひっかけられた、悪口を言われた、大切なものをけなされた… こんな時にイラッとした経験はありませんか?
自分の身体や心が危険にさらされると、私たちは防衛するために怒りの感情で表現します。自分の大切なものを守るための感情ですので、怒りの感情を邪魔者扱いしないで下さいね。
②怒りの誤解
いくつかありますが、今回は多くの方が誤解していることをご紹介します。
それは【怒りは悪いもの】という誤解です。『怒っちゃダメ』『口答えしない!』と言われて育ってきた人や怒りで失敗した人は、どうしても怒りを感じることに罪悪感を持たれることがあります。
しかし①で説明したように、怒りには大切な役割がありますし、そもそも感情に良いも悪いもないのです。『怒っていいと言われてホッとした』という方は、実は大人も子どもも多数いらっしゃいます。
まずはこのネガティブなイメージを払拭し、安心してもらえたら…と思います。
③怒りの感情のしくみ
怒りは第二次感情と私達は説明しています。怒りは突然湧き上がってくるような気がしますが…実はそうではなく、気がついていないのですが、その奥にネガティブな感情(第一次感情)も抱えているのです。
・分かってもらえず悲しくて腹が立つ
・焦っていて、少しの事でもイラつく
・疲れててイライラする
・帰りが遅く心配で、帰った途端怒ってしまう
・やりきれない気持ちでムカムカする…など
怒りを感じる時には、このようにネガティブな感情を合わせ持っているのです。
自分が怒りっぽい時だけでなく、他の人が怒っている時もこれを思い出して下さい。怒りに寄り添うことも大切ですが、第一次感情であるネガティブな感情に寄り添う方がより『気持ちを分かってもらえた』と思ってもらえる場合も多いです。
ぜひ様子を見たり、声かけをして、この第一次感情を見つけて下さいね。
④怒る時のメカニズム
誰かや出来事のせいで私たちは怒っている(怒らされている)と思いがちですが、私たちの怒りの正体は、実はこれではありません。何か出来事が起きた時、それにどんな意味づけをするかにより、人は怒ったり怒らなかったりするのです。
例えば『子どもが朝ごはんを食べずに出かけた』という出来事が起きた場合 お母さんは「朝ごはん食べないと授業は全て頭に入ってこないじゃない。もぉ!あの子ったら‼︎」と怒ります。しかし、それを見ていたお父さんは「腹減ってなかったんじゃない?まあ1日ぐらいなんてことないよ」なんて涼しい顔。
同じ出来事にも関わらず、片方は怒り、片方は怒らない。そんな経験みなさんもありませんか?そうなんです。出来事は全て怒りではなく、私達がどんな意味づけをするかによって怒ったり怒らなかったりするのです。この意味づけが怒りに大きく関わってくるのです。
⑤対処法
簡単な対処法をお伝えします。私たちが怒った時、怒りの感情が一番強くそして理性が働かない時間はたった6秒と言われています。(2秒、3秒とこれより短いものは諸説あります)
この6秒さえ無難にやり過ごすことができれば、後悔につながるような怒りの衝動(暴言を吐く、殴る、蹴る…など)はなくなり、より良い一言や行動を選ぶことができるようになります。
そのために、まずは『6秒待つ』というトレーニングをして欲しいのです。
【6秒ルール】
・数を数える
・深呼吸をする
・手のひらをグーパーする などなどです。
何もしないよりも何かをした方が待ちやすいので、まずはどれかを選び実践をしてみると良いでしょう。最初は意識をしないとできませんが、だんだんと無意識でもできるようになります。ぜひトレーニングをしてみましょう!
これが今回お伝えしようと思った『怒りの感情とその対処法』です。まだまだアンガーマネジメントの一部分だけですので、また機会があればご紹介させて下さい。
出典元:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
濱崎明子(はまさき あきこ)
濱崎明子心理カウンセラー公式サイト くれたけ心理相談室(長久手支部)
濱崎明子 アンガーマネージメント関連サイト 株式会社プラススマイル