あなたの声を知っていた ~声についての考察~
北海道 札幌支部の榊原一樹と申します。
<はじめに>
くれたけ心理相談室に所属をさせていただいた2021年から、オンラインで多くの方と接する機会が増えました。ブログ記事「声」の中でも書かせていただいたのですが、ある時、お話をする前にお顔を拝見しただけでその方の声がわかるということに自分で気づき、これは特殊能力なのでは?!と興奮したという経験がありました。
実際にはそんな特殊能力はなくがっかりしたわけなのですが、先日、名古屋で行われたくれたけ心理相談室の総会でも、”初めてお会いする方のお声を知っていた”という感覚があったことを思い出し、なぜ自分が初めてお会いする方の声を予想できたのか、あらためて”声”というものについて調べてみたことをまとめてみました。
1. 声の質・音色を決める要因(声質)
声を決める条件は、主に物理的な身体構造(生まれつきの要素)と、発声方法や環境(後天的な要素)の組み合わせによって決まるそうで、主な要因は以下の通りです。
- 声帯の構造(生まれつき): 声帯の長さ、厚さ、柔らかさによって、声の高さや基本的な音色(声質)が決まります。
- 声道(響き): 喉、口、鼻などの空間(声道)の形状や大きさが、声の響きや音色を左右します。
- 発声のクセ・習慣: 日頃の話し方、表情筋の使い方、姿勢などが声質に影響を与えます
声質を決める仕組みは理解できたものの、口を開けて声帯を見させていただいたことはありませんし、もちろん見たとて素人目には分かりませんので、これでは顔を見ただけで声が想像できたという部分にはまだ繋がりませんでした。
(参考文献 国際電気通信基礎技術研究所「声の個性を決めるもの」)
2.声と骨格の関係
- 身長と声の高さ: 身長が高いほど声帯が長く、低音が出やすい傾向がある。逆に小柄な人は声帯が短く薄いため、高音が出やすい。
- 骨格の大きさ(響き): 胸部や頭蓋骨などの「骨格」が大きいほど、声が大きく響きやすい。逆に、太っていても脂肪が厚いと音を吸収してしまうため、声量は骨格の大きさに比例する。
- 骨格のタイプ: 丸顔はアルト〜メゾソプラノ、面長で顎がしっかりしているタイプはソプラノ系が出やすいとも言われる。
- 鼻の形・形状: 鼻腔(鼻の空洞)の形は声に大きな影響を与えるため、同じ人種や骨格が似ていると声も似通う。
少し近づいてきました。オンラインでの気づきだったため、身長に関しては不確かだった部分はありますが、骨格という点については声を想像するに当たって無意識に大きなヒントとなっていたであろうことが推測できます。(参考文献 NAYUTAS仙台駅前校「声と体の相関関係とは?」)
3.人間の脳による想像(心理学・脳科学)
・多感覚コミュニケーション: 人間は顔の表情、骨格、体型といった視覚情報と、声の高さや質といった聴覚情報を結びつけて、相手の情報を統合して理解している。
・経験に基づく予測: 過去の経験から「こういう顔の人は、こういう声」というパターンを脳が学習しており、初めて見る人でも瞬時に声を想像することが可能である。
・年齢・身体特徴の反映: 顔の筋肉のたるみや加齢の兆候から、声帯の老化や張りのない低い声を推測するなど、見た目から身体的特徴を類推し、そこから声を予測するケースもある。
かなり腑に落ちてきました。
生まれつきの身体的要素に加えて、発生方法や環境などによってある程度決まってくる声について、人に対する記憶が強い自分の中にある情報や経験が、初めてお会いする方のお声を聞く前から分かるという特殊能力もどきになっていたのだろうと理解しました。
最後に
子供の頃から人の顔を覚えるのが早く、人を観ること(いわゆる人間観察)が好きだった自分。学生時代から現在に至るまで、札幌や横浜での学校生活や、渋谷や二子玉川での1日何百人ものお客様と接するお仕事を通して、多くの方々のお顔を拝見し、お声を聞かせていただいていました。
その中で”声”というものに対し、多くの出会いがデータとして自分の中に蓄積されていたことに、近年のオンラインでの新たな出会いによって気付かされました。たとえば「想像通りの優しい声だ」とほっこりしたり、「あの人と似た声だ」といつかの誰かを思い出せていただいたり、声に着目した素敵な感覚も生まれたりします。
声はその人を表すだけでなく、その方の調子や具合などを測る大切な目安の1つ。心理カウンセラーとして、お相手からお聴きする声、自分がお話をさせていただく声、そのどちらもクライアント様とのセッションの中でもあらためて大切にしていきたいと思いました。

くれたけ心理相談室 札幌支部 榊原 一樹
榊原 一樹カウンセラー 公式サイト

