アサーション ~上手な自己主張~
くれたけ心理相談室 安城支部の柴田桃子と申します。アサーションについてご紹介いたします。
アサーションとは…
「自分も相手も大切にする自己表現の方法」
人間関係において、自分の意見や気持ちを大切にして表現すると同時に、相手が伝えたいことも大切にして理解しようとするコミュニケーションです。
アサーティブに伝えることによって、相手も伝えやすくなり、お互いにとって話をしやすい関係性を築ける為、コミュニケーションが円滑になります。ストレスも軽減されます。
◎3つの自己表現のタイプ
<その1> 攻撃タイプ 自分>相手
相手よりも自分の意見を優先するタイプ。自分の主張をはっきりと伝えるが、
相手の気持ちを無視し、主張を押し付ける言動をする。
<その2> 受け身タイプ 自分<相手
自分より相手を優先するタイプ。自分の気持ちや意見を表現しなかったり、
しそこなってしまう。相手に合わせがちである。
<その3> アサーティブなタイプ 自分=相手
自分も相手もどちらも大切にするタイプ。自分だけの意見を言うのではなく、
逆に相手を優先しすぎることもなく、お互いの意見を聞き合って、双方にとっ
て納得のいく結論を出そうとする。
<その他> 受け身的攻撃型タイプ
受け身的に相手を優先しているように見えて、納得できない部分を行動や表情
に出すことで、自分を主張するタイプ。
◎アサーティブになる為に大切なこと
「自分の気持ちや感情をきちんと知る」
その為に、「I(アイ)メッセージ」を使ってみる。
自分の意見を伝える時に、主語を「私は~」にしてみる。自分の気持ちや考えに気づくことができるようになります。
また、批判的に聞こえにくくなったり、自分の発言に責任をもつことにもなります。
例1:私は、この準備を手伝ってもらえると嬉しい
例2:私は、なかなか来ないから心配していた
例3:私は、そんなふうに言われると悲しい
◎問題解決の為のアサーション
3つのポイント
1.相手の気持ちを受け止める
2.自分の気持ちや状況を伝える
3.代替案を出し、相談する
※1と2は、相手に上手に伝える時のポイントにもなります。
例1:友人に食事に誘われる。友人が食べたいと言ったものを自分はお昼に食べていた。
⇒「あれ美味しいよね。私も好きなんだけど、実はお昼に食べたところなんだ。前に食べたいって言ってた〇〇はどう?それか他に食べたいものあるかな?」
例2:話し合いがまとまらず、予定の時間をオーバーしている。この後に予定が入っている。
⇒「予定の時間を過ぎてしまいましたね。この後予定のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、私はこの後に予定があり行かなくてはなりません。一旦ここまでをまとめて、それぞれ考えるようにして、また後日改めて話し合いの時間を作りませんか」
◎アサーションを使う時の心がまえ
「非言語的な表現も意識する」
コミュニケーションをとる上で、言葉や内容だけでなく、自分自身の非言語的表現(表情、態度、話すスピード、身振り等)を意識することが大切です。また、相手の非言語的表現も受け取ることが大切になります。
◎アサーションを身につけるためには
「まずは会話の中で使ってみる(伝えてみる)」
自己表現が苦手な方や、対人関係に不安のある方、これまで使ったことのない方にとって、実際に使えるのか(伝えることができるのか)、ハードルの高さを感じられるかもしれません。ですが、使ってみないと(伝えてみないと)、実際にどう感じるのか、どうなるのか分かりませんし、抵抗なく使えるようになる為には、練習が必要になります。
最初はぎこちないかもしれませんが、初めてのことなので当然です。
「ちょっと使ってみようかな」「伝えてみようかな」という気持ちで、まずは身近な方(家族や友人等)との会話で始めてみるとよいかもしれません。
状況によって使えたり、使えなかったりすることもあると思いますが、良い人間関係を築くために知っておくと、一つのスキルになりますし、コミュニケーションの幅も広がると思います。日々の中で人間関係や会話の大切さを実感します。相手がいるからこそ成り立つコミュニケーション、「自分もOK、相手もOK」な会話に繋がるといいですね。
参考文献:「マンガでやさしくわかるアサーション」 平木典子著 日本能率協会マネジメントセンター
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
くれたけ心理相談室 安城支部 柴田 桃子
柴田 桃子 公式サイト