質問の力(NLPからの学び)
最近、NLP(神経言語プログラム)をセミナーや書籍で学ぶ機会がありました。ご存知の方も多いかもしれませんが、NLPには様々な要素が含まれ、カウンセリングに活かせることも多岐に渡ります。今回は、その中でも特に印象に残った”質問”について共有させていただきたいと思います。
脳の3つの基本プログラム
- 脳は空白(=疑問)を嫌い、埋めようとする
- 意識は同時に2つ以上のことを考えるのが苦手なため、焦点化が起きる
- 脳は快を求めて、痛みを避ける
上記はNLPをわかりやすく理解するための3原則です。
質問による効果は主に1.空白の原則、2.焦点化の原則、が関わってきます。
焦点を当てる
これは、2.焦点化の原則に関連します。
質問によって焦点化が起きると、相手の意識の方向性が決まります。
例えば、失敗に対して
「何故、失敗したのか?」 →失敗の原因を考える(過去)
「どうすれば上手くいったか?」 →成功のために必要なことを考える(未来)
原因だけを考えれば暗いイメージや否定的な言葉が浮かび気持ちも落ち込みます。反対に上手くいく方法は肯定的なイメージや明るく前向きな言葉や気持ちに繋がります。つまり、質問は相手の状態まで変化させる力を持つということです。
潜在意識を動かす
これは、1.空白の原則に関連します。
脳は空白を嫌いますが、その空白を作り出すのが質問なのです。
質問の中には答えやすいものと、すぐには答えられないものもあります。後者のような問いをされると、意識で考えてもすぐには答えられないので、脳は潜在意識も使って空白を埋めようとします。
例えば「自分は何(どんな職業)に向いているだろうか?」
→意識していなくても様々な求人情報や仕事情報が目に飛び込んでくる
発明家のエジソンも活用!
一日中考えても答えが浮かばない時、夜眠る前に知りたいことをメモ用紙に書いておく。朝、目覚めた時にそのメモを見ると知りたかったことがひらめく、という体験を何度もしたそうな......
本質を追求する姿勢
質問の効果を実感したところで浮かぶ疑問「じゃあ、どんな質問をすればいいの?」
潜在力を引き出すための気の利いた質問、上手な質問をしようと質問集などを参考にする方法もあるかもしれません。しかし、実際にはセッションはその人、その日によって千差万別。こう質問すれば良いというような型は、残念ながら...ありません...
ですが、質問の本質は「焦点」と「空白」
クライエント様がどんな視点(焦点)を提供するのか、相手にとって埋める価値のある空白は何か、こういった意識で話を聴くことで良い質問をひらめくことに繋がるのではないでしょうか(エジソンのように!)
質問は諸刃の剣
質問は諸刃の剣でもあります。基本的にカウンセリングにおいて(初回のインテークを除き)カウンセラーがどんどん質問していくような形は危険です。質問によってカウンセラー主体でセッションが進んでいってしまう可能性があるからです。
先に書いた本質を追求する姿勢を持ちながら、適切に質問を使うことが大切だと思います。
以上、NLPから学んだ質問の力についてでした。最後までお読みいただきありがとうございます。
参考文献
NLPの基本がわかる本 山崎啓支
心理カウンセラー 長野美峰