身体に表れる心からのサイン~東洋医学の「気」の視点から~
くれたけ心理相談室 和歌山県 田辺支部の久保 このみです。
東洋医学では、身体を動かすためのエネルギーを表す際に「気」という概念が使われます。
身体に出てくるサインから、気の状態を見つめて整えることで、より自分らしく健康に生活することができると考えられています。セルフケアはもちろん、心身の様子を見つめるときの考え方のひとつとしてご紹介できればと思います。
健康なとき
〇気が満ちている・足りている・・・エネルギーが十分あり、身体中に巡っている状態。
体の様子 : 活動的でいられる、軽い感覚、健康
心の様子 : 不安を感じにくい、周囲の言葉や環境に動じにくい
調子が崩れているとき
様子によって、3つのケースに分かれます。
① 気が不足しているケース
多忙や睡眠不足、消化不良などにより、エネルギーが足りなくなっている状態。
体の様子 : 眠い、疲れやすい、風邪などの体調不良
心の様子 : 意欲の低下、楽しめない、不安になりやすい。
▽気を満たすにはどうしたらいい?
→しっかり寝る、休む、活動量を少なめにする。
食べたいものを食べる、行きたいところに行くなど、自分欲求に従って動く
② 気が滞っているケース
ストレス過多、運動不足などによって、体の循環機能が低下し、エネルギーの巡りが良くなくなっている状態。
体の様子 : 緊張した感じが抜けない、ため息がたくさん出る、声が出しにくい
心の様子 : もやもや・イライラする、発散したい気持ちになる
▽気の巡りを良くするにはどうしたらいい?
→身体を動かす、汗をかく、カラオケ、アロマやお酒などでリラックスする
③ 気が上がっているケース
②のうち、エネルギーが頭に上がって、下りてきていない状態。
体の様子 : 足をぶつけやすい、寝付きが良くない
心の様子 : そわそわする、考え事が止まらない、焦りやすい
▽気を下ろすにはどうしたらいい?
→上記の気の巡りを良くすることに加えて、ウォーキング・スクワットなど、足に刺激が入る運動を意識する
さいごに
「病は気から」という慣用句の起源は、まだ西洋医学が発展していない時代に、東洋医学から生まれた言葉なのだそうです。現代ではこの言葉は、病気は気持ちの持ちようでどうにでもなる という意味合いで使われることが多いですが、本来「まずは気の状態を見つめて整えましょう」という意味だと言われています。
私自身、心身の不調を感じたときは、「今いる状態って自分にとって良い状態だろうか?」というのを見つめ直す良い機会だと思っています。
身体の調子が崩れたり、心の変調があったりすると、つい「どうしよう...」と不安になってしまいますよね。調子が思わしくないと感じても、東洋の考え方を少し参考にすると、自分の内側からのサインのひとつとして受け取ることができるかなと思います。
どんな症状も、これから先をより自分らしく、よりいきいきと過ごすために活かす材料にしよう ! と考えることで、肩の力を抜いて日々を楽しく過ごすことができたらいいなと思っています。
さいごまでご覧いただき、ありがとうございました。
くれたけ心理相談室 田辺支部 久保 このみ
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