くれたけ心理相談室 名古屋本部の島野と申します。

『人のために祈ると超健康になる』(高橋徳著)
この本に関心を持ったのは、一つは「オキシトシンは、神と人をつなぐもの」という言葉に惹かれたのだと思います。スピリチャルなことに関心を持ちながらも反発も感じていたという著者に近い気持ちをもっていたからかもしれません。
今回読み返してみて、改めて「利他心」についていろいろと考えさせられました。私の関心事ですが、みなさまにも共有できることがあれば幸いです。

 

「利己心と利他心」について

私は、心理学を改めて勉強し始めた頃に、「自分の幸せを考える」という言葉が新鮮な驚きでした。私の頭の中には「人は(自分のことより)他者の幸せを考えるべき、他者に貢献すべき」という言葉が埋め込まれていたからでしょう。その考え方は、どこかで無理をきたしてしまい、どこかで自分が満たされなくなり自分を見失ってしまうというものだったように思います。

医師でもある高橋氏は、利己心と利他心について、自らの研究テーマでもあるオキシトシンという幸せホルモンを通してわかりやすく解いています。

 

「利己的なバゾプレッシン」と「利他的なオキシトシン」の相克

「バゾプレッシン」と「オキシトシン」は、対立し合う、二つの双子ホルモンだそうです。

バゾプレッシンは「個体の生命維持のために役立つように働き」オキシトシンは、「仲間(群れ)を守る方向で働き」どちらもが存在するものであり、必要なものなのですね。

人類が争いを続けながらも、平和を保ち種の存続をしているのは、オキシトシンの力ともいえるようです。

個的にも利己的であるとか利他的であるとか自他を責めたり褒めたりするものではなく、オキシトシンを増やしていく方法を知り、習慣化していく、そういう在り方に目を向けていくといいのではないかと思っています。

 

オキシトシンの役割・増やし方

まず【オキシトシンの役割】についてです。

オキシトシンは副交感神経を高めて、自立神経のバランスを回復させる働きがあり、抗ストレス作用、自律神経調節作用があるのですね。
ツボ(足の三里)刺激でもオキシトシンが産生されて、慢性疼痛の鎮痛作用があり、さらに脳の偏桃体や側坐核(やる気をつかさどる部位)に働きかけると、抗不安作用抗うつ作用があるそうです。

そして、「愛のホルモン」として注目されています。愛されても愛してもオキシトシンがたくさん産出されるのですね。「利他の行動」もオキシトシンを大きく増やすようです。純粋に、愛する(好意を抱く・共感する)だけで、オキシトシンが増えるそうです。

 

【オキシトシンを増やす7つの要素】
 ・感覚的刺激(五感―触覚視覚聴覚味覚嗅覚―への心地よい刺激)
 ・心理的刺激(人との交流)
   受動的刺激(愛される、好意を持たれる、共感される、感心を持たれるなど)
   能動的刺激(愛する、好意をもつ、共感する、感心を持つなど)

【オキシトシンを増やす5つのセルフケア】
 ①腹式呼吸 瞑想(ハミング瞑想)③ヨガ ④断食 ⑤気功・太極拳

 

利他心を育み、愛と共感の力へ

オキシトシンの説明・引用が長くなりましたが、初めの問題意識に戻っていきます。

愛は一方通行の自己犠牲ではなく、「人を思いやる」という情感がオキシトシンを増やし、健康の維持につながるのですね。
両者間に友好な関係がつくられると、愛のループがつくられていきます。そして見返りを期待しなくても、愛は次々に循環していくものだと思います。

カウンセラーにとっては「共感する力」はもっとも問われているものです。「来談者の思いを、ありありと来談者の身になって理解する」とか「他人を自分ごとのように思いやる(自他同然)」などと言われます。(「自他同然」は経営コンサルタント・船井幸雄氏の造語)

 

宗教者の体験からは、祈り(人が神からの慈愛を感じ取り、神への愛と感謝を込めて一心に祈ると、恍惚感にひたっていく)から、さらに瞑想(坐禅)をすると「自己と他者の境界がなくなるような体験」→「無我の境地」に至るということなのでしょう。
これもオキシトシンの力なのですね。(脳の方向定位分野の活動が低下するからだそうです。 

ここで、高橋氏の「人のために祈ると超健康になる」につながっていきます。

 

島野浪江カウンセラー

 

おわりに

今は、コロナの影響下で、誰もが行動を制限されているかもしれません。こういう時期だからこそ、人として、カウンセラーとして生きていく原点をみつめなおすように、という神様からプレゼントをもらったような気持ちです。 

私は、もともと「社会が変われば人も変わる」と思っていましたが、「人が変われば社会も変わる」でしょうね。どう変わっていくのかの考え方も示唆してもらったように感じています。
個的にも人類的にも、利己心と利他心は持ち合わせているもので、自他を責めたり褒めたりするものではなく(誰もが育った環境なども影響するので)、まずは自分自身が安定した利他心を育んでいくことが大切だと思います。カウンセラーとしての前提ですね。

そして、愛と思いやりが人の心に届いて、それが循環していくことによって地域も社会もつくられていきますね。

高橋氏は次のように言われています。
「オキシトシンという神からの授かり物の力を借りて、1人ひとりが利他の行動に一心に励むなら、この世界がそのまま浄土になりうる。私は、それを、たんなる夢想とは思いません」と。
それもあり、かもしれませんね。
まずは、今の自分にできることを、些細と思われることも丁寧にやりきり、人のために心を込めて祈ります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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